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11.分科会
Cグループ(第1集会室)
司会 多田 義国
*発言者の氏名はプライバシー保護の観点から、イニシアルとさせていただきました。
*講演者と準備委員の氏名は、そのまま記させていただきました。 *司会者の氏名も上記にそのまま記させていただきました。 *録音音声の不具合のため聞き取れない箇所があり、省略や要約を余儀なくされた箇所があります。ご了承ください。 1.自己紹介 福嶋「無教会研修所の通年の講座で、『ハンス・キュンクの生涯と思想~異端審問から世界航海へ』の題名で毎月配信しています。」 大西「キリスト教の本質は困っている人を助ける、殺さない、自分を生かすの3点だと思っています。これを肝に銘じて人生を送っています。基礎年金は少なく、満額月69,000円、一方生活保護月130,000円は問題だと思っています。キリスト者はこの問題に対して関心が少ないことに危機感を持っています。」 O「学生の友人の紹介で出席した。自分は信者ではないが、今回のテーマは大変心を動かされました。」 H「ミャンマーの国際支援に携わっています。」 K「現在は春風学寮に在籍している大学生です。」 T「クリスチャンホームに生まれ、浜松集会に所属しています。自分から聖書を学ぶことはなかった。還暦を過ぎたが、皆様にお祈りしてもらいながら人生を歩んでいます。」 荒井「福嶋さんはバルトや滝沢克己を研究なさっていますので、お話をさらに伺えるのが楽しみです。」 廣瀬「中東との付き合いは、20歳の時イラクに行き、旧約聖書にでてくるニネべ、バビロンを見学して以来です。中東に関わる仕事を経験してきたが、退職後ヨルダンに行き、旧約にでてくるアンマンやモアブやエドムの地を見る機会がありました。現在の関心事は、ガザ紛争と終末思想についてです。科学的アプローチでも、宗教的アプローチでも破局、終末は避けられないとの福嶋さんのご見解について更にお聞きしたいと思います。」 司会「堤 道夫先生が恩師です。先生がなさっていたキリスト教伝道の真理の会を受け継いで、キリスト教独立伝道会ができ、そこに長い間携わってきました。政池 仁の集会が月2回あり、参加しています。」 2.自由討論 司会「登壇者の福嶋揚さんや近藤風人さんがいらっしゃるので、ご両名の講演の感想や質問を中心に進めていきたい。」 大西「キリスト者として、キリスト教の精神に基づいて、平和の実現とか弱い者を救うことを、科学的・良心的に設計することが重要であると言われたと思うが、どうですか。」 福嶋「その通りだと思います。聖書のなかには、今日の社会科学にも適用できることがある。 未来世界を描くグランド・デザインは以下の通りです。 ①搾取・略奪から贈与と互恵:キリスト教精神は受けるより与えることが幸いだが 資本主義はその真逆である。 ②脱成長:マモンの蓄積を崇拝するな。現代の最強の偶像である資本から脱偶像化せよ。 ③罪の赦し:債務の帳消し、減免をせよ。学生ローンの廃止、途上国の債務取り消し。 現代人の重荷を取り去る道具になる。 ④福音:たとえ生産能力はなくとも、どんな人間も無条件にあなたは生きていて良い。 社会政策を通して、それを実現する強力な方法はベーシックインカムだと思う。 これらは今後社会が終局を迎えるにあたって、各国政府が行うことになり、議論も活発になることだと思います。コロナ禍での対応はその先例でした。」 大西「人間の自己実現欲、お金に対する欲はなくならないので、資本主義はなくならないと思う。とすれば、ベーシックインカムに自己努力収入を足した形で資本主義システムは存続すると思います。」 福嶋「資本主義は人間がどうなろうと、地球が滅びようと存続するシステムになっています。資本主義が止まらなければ地球はボロボロになるが、止まることはできない。そこで、資本に頼らない、脱資本主義的な生き方をしている人が若い人を中心に出てきています。この点で昨日の近藤さんの話は重要な問いかけだと思います。」 荒井「人間の力や思いの及ばないところが純粋贈与です。インマヌエルの現事実-神我らと共にいます―において滝沢克己も同様なことを言っています。人はこれを知った時、立ち上がる。すべての人間は赦されていると知った時、終わりの時まで純粋贈与の真理性に立って、歩みを続けていくと思います。」 司会「人間は戦争や異常気象を止められない。止められないでいるうちに破局まで行き、地球は滅びると私も思っていました。そして福嶋先生から資本主義は、人間がどうすることもできないうちにどんどん増殖していくとお聞きしました。人間に期待していても、平和や神の国は実現せず、世の中は良くならない。ではどこに救いがあるのか。神は全能なので、それを実現できると信ずるところに救いがあると思います。資本主義は人間が作ったもので、平和や神の国は実現できない。このあきらめたところから出発するしかないと思います。」 福嶋「国家と資本がタッグを組んでいるのが問題。二つの頭を持ち、胴体が一つの怪物ヤヌスです。国家権力と資本を合わせて経済成長と資本の増大を絶対的なモットーとする国々が、覇権争いをし、それが地球を滅ぼす。経済力と軍事力双方を備えたのが覇権国です。過去にはイギリス、今はアメリカですが、覇権国が没落する時に世界戦争が起こります。今後覇権がアメリカから中国に移るとき、資本と国家という怪物の戦い、すなわち第三次世界大戦が起きると思います。経済成長し続ける国民国家のシステムがある限り戦争は起こる、これを抑止するためには国連が強くなる必要があります。第三次世界大戦の後、より良い国連ができたとき、第四次世界大戦は避けられる。日本人に出来、資本と国家に対抗しうるのは憲法九条です。これを実現しますと言えば、賛同者が増え今の国連を変えることができる。但し日本政府がそれをやらない為に日本はアメリカと中国の間の盾として利用される。その時に憲法九条のありがたみを知り、目覚めるかもしれません。」 大西「人類は破局の体験からしか歴史の教訓を学ぶことができない。人間には我執があり、これを断ち切ることはできない。とすると、功利主義的に人間にインセンティブを与えて人を動かす政策も必要だと思う。若い人々の心配や不安に耳を傾け、年配者に何ができるかを考える必要がある。」 H「United Nations は国際連合と訳されていますが、原義は連合国であり、敗戦国加盟は認められなかった。原義を知ることは重要だと思います。どの時代にも、どこの国にも、戦争文化と平和文化があります。平和文化を中心に楽観論を言わないと若い人は育ちません。広島の平和文化市長会議を世界中の市長が応援してくれ、それらの市民を足すと世界人口の半分以上になったそうです。この例にみられるように、平和文化はとても大切です。国家と国民は逆な見方をするものです。政府(国家)に注目すると悲観的になりますが、国民に注目すればまだ希望はあります。憲法には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」とあるのであって、国家とはなっていません。アメリカの黒人差別くらいの差別は日本にもあり、福島はその一つであると思います。」 荒井「人間的な悲しみは真理とは違う。人間の思いや慰めや悲しみが届かないところに真理がある。そこに立つときに人間的なものから離れられ、そこにおいてこそ慰められると滝沢は言っています。人間的なものから絶したものがあり、それを知るときに、資本主義にからめとられることはなくなります。真理の上に立つことは大切なことで、基本的なことでもあります。」 近藤「高校時代に女川原発の再稼働が決まったことを知ったとき絶望感を感じました。政治では変えられなかったですが、経済ならこの現実を変えられるという希望を持っています。代替エネルギーが原子力にとって代わって、主要な電力源になるという希望をもっています。この為、再生可能エネルギーの勉強に奮闘しています。」 T「一年にどれくらい稼げるか、どんなに商売がうまいか、どんないい暮らしをしているかが中国では重んじられる。その点では、日本の若者や考え方は歯がゆい感じがすると主人は言っています。資本主義のただなかにあって、どうしていけばよいかの方向性を教えて欲しい。」 廣瀬「昨日の近藤さんのお話は、福島の実相をわかりやすく伝えていただき大変心に残りました。被害者でありながら、加害者になってしまう現実、日本人の思いと福島の人々の思いは違うという事も教えて頂いた。マルクス経済学はソ連崩壊で破綻したと思いますが、共生もうたっています。その経済学は本当に価値のないものになってしまったのでしょうか。」 福嶋「近藤さんが経済学を学んでいる中で苦しんでいます。今の経済学部の先生方と対話する備えはないし、必要かどうか、意味があるのかどうかも分からない。東京電力が福島に原発を作り、事故を起こした。福島は東京の犠牲になってきたし、今も犠牲になっています。このことで福島の人達は推進派と反対派に分かれて争うことになった。この構図こそが罪ではないか。資本主義は略奪のメカニズムです。それには依存、分離、否認と不安定化が内在する。福島の件は、これに当てはまります。東京圏は福島に依存し、推進派と反対派で分離し、風評被害で福島を否認し、福島あるいは日本を不安定化しています。福祉、介護、外国人差別の問題でもこのメカニズムが働いています。資本主義のただなかでどうしたらよいかの質問に対しては、資本主義とは何かを徹底的に認識すること。それがどんなに無残で恐ろしいかを知り、それにもかかわらず私たちはそこから脱することはできないことを知る。しかし、その中にかすかな希望を見つけることができる。しばしば資本主義からドロップアウトした人々の中に小さい、新しい可能性を感じています。資本と国家から脱出した人々のネットワークが長野や山梨にあり、その人たちに共感を覚えます。但しこれが社会を変革する力になるとは思わない。破局の中で、小さなリンゴの木を植え続けるしか生き延びる方法は無いと思います。経済成長するための東京一極集中から地方分散し、それぞれの文化を守り、地域ごとに自給していくことが重要。これが資本に対する抵抗運動であると思います。しかし、一極集中は止まらないと思うし、政府も止めないと思うので、目覚めた人々が動くしかない。」 近藤「福島の分断事例として、浜通りの学校でアンケートを取った。7割の生徒が汚染水放出に賛成と回答した。環境省などから来て、放射能は安全だと教えているからです。福島の他の事例として、防護服をまとったサン・チャイルド像が寄付されたが住民から原発を思い出すからやめて欲しいとの要望があり、撤去されました。小高町ではかなりの住民が戻って来ていますが、原発賛成派と反対派がいて、原発問題を話し合うと分裂するので、話し合う事も出来ません。福島は実害を持っていますので、福島を伝えていく必要があると思っています。」 福嶋「広島・長崎と福島をひとつながりの出来事としてとらえることは重要。政府が原発に固執するのは、核兵器を持ちたいという政府の意志の表れかもしれない。マルクスの革命家としての理論は失敗していた。1988年以降のソ連崩壊でさらにマルクスは忘れ去られることになりました。資本は現在の最大の偶像。マルクスの功績は資本の物神のメカニズムを解き明かした点にあります。マルクスはヘーゲルから影響を受けていて、彼の弁証法には神の三位一体を哲学的に言い換えた面があります。マルクスが資本を論ずるときに、それが三位一体的な運動により、いかに自己実現して完成するかを論じました。資本主義から、人間は抜け出せないことを明かしているものでもあります。マルクスに共生理論はあると思う。特に晩年、未開社会やインディアンに期待を託していました。資本主義を超える、助け合いの共生、相互扶助の社会を探ろうとしていたのです。何故マルクス主義は敗北したか、経済システムを変えれば支配無き理想社会が実現すると考えたからだと思います。経済システムを代えても、国家権力は変えられなかった。国家権力が肥大し、独裁社会になってしまった。マルクス主義はこの国家権力に躓いた。経済という下部構造を代えれば上部構造は消滅とすると考えたがそうならなかった。」 大西「野党が政権を取っても、国家権力は残るか。」 福嶋「政権交代は大切だが、野党共闘、市民運動、環境運動の合わせ技が必要です。もちろん政治活動は不可欠です。」 大西「年収1,500万円以下の労働者が日本では99パーセントいますが、その立場にいる人たちを代表する政党がないのが問題。それができれば、国家権力も手直しできるのでは。」 福嶋「国家と資本は持ちつ持たれつで、国会議員と企業は癒着しています。この為、99パーセントを代表する議員を送りこめないのかも知れません。」 近藤「原発問題に関心がある人には、まず再生エネルギーで頑張る企業と電力供給契約を結ぶように言っています。地球温暖化で問題になっています畜産業があるが、数年前から肉を食べるのを止めました。そのときの周りの反応は怖いものでした。グレタの活動は日本では盛り上がらず、そのような活動をしようと思っても外圧に潰されてしまう気がします。それで生きづらさを感じることがあります。」 T「以前はそのような試みをしていたが、今は若い人がしなくなっています。」 大西「己の事ばかりに目を向けるのではなく、他人の痛みを知りつつ、困っている人を思いやりながら、小さいことでも行動を起こしていくことが大切です。」 H「日本には理科系国会議員は2人しかいなくて、エンジニアを軽視する風潮があります。小麦の90%は輸入小麦です。あれには3PPMのスミチオンがコクゾウムシ対策で混ぜられています。アメリカでは1PPMまでしか認可していない。このことが子供たちの発達障害の原因になっています。」 (文責 小舘) ![]() |