11.閉会挨拶


小舘 美彦
 本日は長い時間にわたり、ご静聴下さりどうもありがとうございました。
 今回の全国集会は一日であるにもかかわらず、本当に豊かな内容で、とてもここにまとめ切れるようなものではございませんが、敢えてその特徴を二つに絞ってまとめせていただきます。
 その一つは、今までにないような大問題が提起されたということです。信仰、十字架、復活、原罪、近代、大東亜戦争などについて、今までに聞いたことがないような、今までとは全く異なると言ってよいほどのメッセージが語られました。もちろん学問の世界や一集会内では語られていたことでしょうけれど、それらが全国集会で語られるということは、初めてでありました。
 もう一つは、希望と実りということでありましょう。この希望と実りについて教えてく出さった第一の方々は、もちろん韓国から参加された兄弟姉妹たちです。韓国の皆さんの話を通じて私は、約100年前に内村鑑三の蒔いた種が、そして約70年前に政池仁や矢内原忠雄の蒔いた種が着実に実を結んでいるのを感じました。そして、キリストの種を地道に蒔いていくならば、必ず素晴らしい実りがもたらされるのだという希望を与えられました。第二の方々は大内さんと近藤さんです。お二人は2011年の大地震と原発事故により大きな被害を受け、一時期農業からの撤退を余儀なくされました。その後のお二人は悲しみと怒りに打ちひしがれていました。そのお二人が今では農業を再開して、元気に働いている。しかもその再開はただの農業の再開ではなく、社会的責任と環境保護という世界的ビジョンを含んだ農業の再開です。このことからも、地道にキリストにつながりつつ働いていくならば、素晴らしい実りがもたらされるという希望をいただきました。
 これほど恵み豊かなお話が、このような少人数に対してだけ語られるのは実に惜しい。来年は、もし許されるならば、もっとたくさんの人たちの前で語られるよう、一泊二日の日程で、もっと大きな会場で開催したいと私は思っています。
 本日は本当にどうもありがとうございました。