本日はお忙しい中、無教会全国集会2022にご参加くださりありがとうございます。コロナウィルス感染症拡大のために2019年以来、実に3年ぶりの開催となりました。オンラインでの開催でいささか不便もありますが、ひとまずは開催が許されましたことを主に感謝したいと思います。
ところで、本来この「開会挨拶」は議長の坂内宗男さんがなさるべきところですが、坂内さんは2021年の終わりに交通事故に遭われ、骨盤に重傷を負い、今日もリハビリに専念しております。このために、私小舘美彦が議長代行として、「開会挨拶」を述べさせていただく次第です。
さて、今回のテーマは「キリストの平和」ですが、このようなテーマを選びましたのは言うまでもなく、ウクライナ問題を念頭に置いてのことです。この2月にロシアがウクライナに武力侵攻を開始して以来、私はずっと悩み続けてまいりました。自分がもしウクライナ国民であったなら、いったいどのように行動したであろうかと。そしていくら考えても、国外に退去するという選択肢を選ぶことはできませんでした。お年寄り、女性、子供、病人・・・。そうした人たちがわずかでもウクライナにいる限り、自分は最後までウクライナに残り続けるだろうとそう思わざるを得ませんでした。
しかし、ウクライナに残ったとして、いったい何をするのでしょうか。彼らを守るために武器を取ってロシアと戦うのでしょうか。それとも病院や避難所で彼らを助けるために働くのでしょうか。あるいは、彼らを苦しめるロシアとの戦いを止めるよう他の国民を説得して回るのでしょうか。戦争に反対する平和主義的な政権を打ち立てるべく政治活動をするのでしょうか。私にはまったくわかりません。目の前でお年寄りや女性や子供や病人が殺されるのを目の当たりにしたなら、いったい何が自分から出てくるのか、私には思いも尽きません。
きっと皆さんも同じような思いを抱えていることでしょう。少なくとも、日本にロシアが侵攻してきた場合、自分はどのように行動すべきか、悩んでいることと思われます。
このようなときこそ、イエス・キリストに耳を傾けるべき時だと思います。このような極限的な状況において、私たちを導いてくれるのは、イエス様をおいて他にありません。イエス様なら真の平和とは何かを明らかにし、私たちの目指すべき方向を示してくださるはずです。イエス様なら私たちの知恵を超えた神の知恵によってどうすればそこに至れるかを示してくれるはずです。
というわけで、今回のテーマは「キリストの平和」となりました。講演者の皆様にイエス様がお与えになったメッセージを通じて真の平和への道が示されることを願いつつ、開会の挨拶とさせていただきます。
2022年11月3日