02.開会挨拶



無教会全国集会準備委員会
 議長 坂内 宗男

 皆さんこんにちは!
今年もこのようにして第33回の全国集会を開催出来ましたことを、大変うれしく思います。それは、2011年から、2012年と2016年を除いて市川・山崎製パン企業年金基金会館において昨年まで6回開催いたし、今年は新天地東京・在日本韓国YMCAでということになります。

 いまこの国際ホ-ル(9階)での挨拶の折、はっと胸を突かれたのですが、入口の壁面に大きく記載されています2・8独立宣言のことについてであります。あの100年前の1919年の3月1日、日帝植民地支配に抗して立ち上がった朝鮮民衆による3・1独立宣言に基づいて、朝鮮全土に広がった万歳(マンセ)事件の導火線となったのが実はこの在日本韓国YMCAに2月8日結集した朝鮮人留学生(約400~600人)の決起でありまして、ここで発せられた「2・8独立宣言」は、弾圧と厳しい検問をくぐって本国に持ち込まれ、また中国の5・4運動にまで影響を与えたという由諸ある会館なのであります。正面玄関右側に記念碑があり、資料館も100周年を記念して、近時リニュ-アルされましたので足を運んでいただき、これを機会に、日韓関係最悪の中、何が真相か、考える糧に資してくだされば幸いです。また、当会館初代総務・金貞植は内村鑑三と親しく、内村の朝鮮観を変えたと言われる、高潔な人物と言われているのであります。
以上のような当会館で、新しい気持ちのもと全国集会を開く光栄を感謝したいと思います。

 さて、全国集会を開催した端緒は、1987年1月15日、東京YWCAで開かれた第2回キリスト教シンポジウム(第1回は85年11月4日)「これからの無教会はどうあるべきか」の席上で、堤道雄先生が提起されたのを受け、その年の11月、鷗友学園で開催したのが始まりです。その背景には、石原兵永・政池 仁・藤沢武義といった2代目(藤沢は塚本の弟子でもありますが)伝道者が殆ど召された危機感がばねになったと思われます。その初心を大事にして、真理としての無教会信仰をこの地に生かしたく願ってやみません。

 最近、韓国無教会の同志が、「愛国という民族愛の境を越えた世界市民として、国家という垣根を越えた自覚に立つことはしごく当然のことであり、『全ての民族]を弟子にすると教えられたイエスの言葉がそれを物語っている(マタイ伝28章)」と、政治の世界を越えた兄弟姉妹の愛をもって日本のわたし達に愛の手を差し伸べてくださったことに励まされます。
どうかこの二日間を、キリストを中心として共に祈り、語り合う場として用いられますことを祈念してやみません。