02.開会挨拶



無教会全国集会準備委員会
 議長 坂内 宗男

 皆さんこんにちは!

 今年も100名近い方がお集まりくださいまして、一回限りの気持ちでの毎年来るごとの全国集会が32回目を数え開催出来ましたことを大変有り難く思います。

 と申しますのは、御多分にもれず、日本基督教団を中心に、30年問題といわれるように、2030年代には信徒が激減するという危機的予測の中で、キリスト教会全体(無教会も同様)にあっても、高齢化の波のなかで急激な減少は免れず、かくなる状況下での今年の無教会全国集会でもありますので、皆様のご熱意を有り難く思います。

 勿論私達は「信仰のみ」に立って、全てを主の御心にお委ねして歩むことは第一義でありますが、しかし、特に将来を担う若者をべストを尽くして信仰に導く土俵造りの努力は日頃為さねばならぬ責務にあることは当然のことでありまして、その意味でも、このようにして今年も開催できましたことは有意義と存じます。

 そもそも第1回を開催致した1987年でのテ-マ「信仰による一致」を見る時、その背景には、いわゆる内村鑑三の直弟子達が文字通り神にのみ寄り頼む、天からのマナにのみ生きる捨て身の伝道があり、そこでの世俗や制度教会に対する集会の在り方は、まずもって神と己というタテの関係を強くしたスタンスにあったと思います。しかし、2代目が殆ど主の身元に召されたのが1987年頃であり、すぐれたリ-ダ-に導かれる時代は去って、個々人が横断的エクレシア(集会)にあって祈り励まし合うという時代を迎えて、この全国集会もその線上に在り、今もその重要性はいや増していると思うのであります。

 昨年の31回全国集会での「無教会とは」の主題で開催した主旨は、その中に在って大きな節目にかかっているとの認識において、無教会の在り方を総括いたし、その本質を問い、今後の生きる指針を求めた意味合いを持っていたと思うのです。それを受けて、今回のテ-マ「応え給う神」は、生きる意味を問う重要な課題ではないでしょうか。

 さて、毎年申し上げていることですが、「信仰のみ」とこの世に「地の塩」として生きることは、車の両輪の如きものでありまして、端的には私どもの全国集会は、いわゆる特別の全国的聖書集会ではなく、またこの世の問題を主題としての集会でもないことです。それは、両者が密接に絡み合った私達キリスト者個々人の存在意味(レ-ゾンデ-トル)を確認し、主を見上げて、この与えられた大地しっかり足を据えて塩として主の証しをするという生き方をエクレシアに当てはめたのがまたこの全国集会でもある、と思うのです。

 最後になりましたが、長い間交わりに在る方、初めての方問わず、主に在る愛と信頼において、この二日間を実りある集いとして有意義に用いられますことを願って止みません。